2012年6月22日金曜日

非喫煙者的煙管愛好術 薄荷煙管

唐突ですが、煙管を買いました。
柘製作所の浅草煙管登り龍古美七寸というものです。
理由は簡単、着物を着たときに帯に挿したらかっこいいかなーってな考えからです。
アクセサリー感覚ですね。
でも、せっかく煙管を買ったんだから活用したい。
タバコは絶対吸いたくない(嫌煙家でござる)
嫌煙家なのに喫煙グッズ大好きという矛盾を抱えたまま大人になってしまいました。
でも、そういう人って少なくないハズ
ちなみに非喫煙者だけどZippoに憧れてタバコに手を出してしまう人も多いのではないでしょうか?
ちなみに私も危うくそうなりかけましたが(笑)

Zippoの場合の非喫煙者的愛好術
私は「タブドック」というZippoケースをフリスクなどのタブレットケースとして活用できるというアイテムにブレスケアを入れて使っています。

では煙管の場合は?
以下の方法は完全に私の思いつきであり、万が一真似をしてなんらかの問題が生じたとしても一切責任は持てません。
そのことを了承の上、お読みください。

・・・と免責事項を書いておいて。
煙管の場合の非喫煙者的愛好術

・小さい綿を用意します。私はたまたま家にあったコットンパックなんかで使うコットンに入っている綿を使ってます
・綿を丸めて煙管に詰めます。
・北見のハッカ油を綿に一滴(お好みで数滴)垂らします。
・吸います。 お好みですが綿にハッカ油を垂らしてからすぐよりもちょっと時間を置いたほうがいいかも。

・・・とこんな感じです。
吸いこんで鼻から息を吐けば、スーッとスッキリします。禁煙パイポのミント味をもっと強烈にした感じでしょうか。
フリスクのブラックミントとかミンティアのドライハードに近いかもしれません。
フリスクやミンティア大好きな人にもいいかも。
もっと強烈な爽快感を求めるならハッカ油の量で調整してください。
「北見のハッカ油」と書いているのは、混ぜ物がなく「食用」として使用できるとメーカー謳っているからです。 ちなみに私の場合「北見のハッカ油」は東急ハンズで買いました。
製薬会社のハッカ油でも試してみましたが、「北見のハッカ油」の方が香りにほのかな甘みがあって美味しかったです。
ハッカ油だけでなくバニラエッセンスやストロベリーエッセンス、レモンエッセンスなどの食品へ使う香料でもやってみましたが一番ハッカがオススメかも。
レモンとハッカを混ぜて吸っていますが、レモンはやはりハッカに負けますね。
ただし、やりすぎると体に害があるかもしれませんのでほどほどに・・・・。
あと、癖になると「煙管がないと口が寂しい」となってしまいますのでご注意を。
スッキリとする以外の効用としては

鼻が詰まった時に良さそう
肩こりからくる頭痛が治った(気がする)
ダイエットの間食防止になるかも
スーッとするのでなんとなく涼しく過ごせる

実感としてはこんな感じでしょうか。
巷ではハッカ脳(生ハッカとも呼ばれるハッカの結晶)を使ったハッカ・パイプなるものがあるそうなのでそれに近いのかも。
綿の中にハッカ脳を包んで吸えば同じような感じになりそうです。
ハッカ脳はメントールとも言われ歯磨き粉やお菓子、リップクリームなどにも使われる、実は私たちの生活にとても馴染み深い物だったりします。

※追記※
ハッカ脳を買ったのでさっそく試してみました。
ちなみにハッカ脳は手巻きタバコなどが置いてある大きいタバコ屋さんで買いました。
一本200円 一本で相当持ちます。
ボトルのサイズは5cmくらい

・小さい綿を煙管に詰めます(少な目に)
・その上にハッカ脳を乗せます。(綿は吸い口に結晶が行かないようにするためのクッション)
・軽く炙ることで表面を固めます。
・吸います。

北見のハッカオイルよりも爽やかな感じがします。
炙った場合、最初は少し焦げ臭いと感じるかもしれません。(炙りすぎで綿が焦げた?)
その場合は焦げ臭くなくなるまで吸い口から息を吹き続けると自然と消えます。
ハッカオイルとハッカ脳、それぞれ味が違うのでお好みで。
ハッカオイルの方が手に入りやすいですが、私はハッカ脳の方が好みです。

ハッカ・パイプならぬ「薄荷煙管(ハッカキセル)」ですね。
ハッカ・パイプには「節煙、乗り物酔い止め、眠気覚まし、気分転換」などの効果があるそうなのでこの薄荷煙管にも同じような効果があるかもしれません。
またハッカパイプは子供の酔い止めとしても使われるのだとか。
江戸時代に書かれた「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」という漢方の本によれば「刻んだハッカの歯に火をつけてその煙をタバコのように吸うと喉に良い」と書かれているそうなので昔から薬として使われていたようです。
思いつきでやってみたものの案外この「薄荷煙管」には歴史がありそうですね。
一種のアロマテラピーなのかもしれません。
ハッカ脳を使ったハッカ・パイプなるものがあるくらいなのでハッカ脳でやった方が美味しいのかも?
でも、ハッカ油の方が手に入れやすいのでまずはハッカ油で試してみてからの方がいいかもしれません。
ハッカは整腸・頭痛など様々な効能があるそうですが、そういえばお通じが良くなった気もします。
でも、吸いすぎるとなんとなく胃が痛くなった気もしますのでやっぱり飽くまで自己責任で。
・・・というか胃が冷えるようなそんな感覚・・・・慣れた今ではまったくありません。
そういえば、そんなこともあったなぁ。

煙管に憧れるけど非喫煙者だし、タバコに手を出したくない・・・
禁煙したいけどなかなか出来ない
電子タバコや禁煙パイポってかっこよくない
そんな人におすすめ・・・かも?
メンソールタバコを吸っている人が禁煙したいって時にもいいのかもしれません。

この記事は
・煙管に憧れてタバコを始めてしまう人や禁煙したいけど出来ない人が一人でもいなくなりますように。
・煙管業界頑張れ、消えゆくタバコ産業と共倒れすることないぞ。
・煙管はタバコがなくてもカッコいいぞ
・・・の意味を込めて書きました。

けして喫煙を推奨する者でもありません。
タバコは百害あって一利なしです。

これで禁煙チャレンジする人が増えてくれたら嬉しいなぁ。

2012年6月15日金曜日

勝海舟寓居跡解体

神戸新聞に勝海舟寓居跡に関する記事が載っていました。

「勝海舟寓居跡」で住宅開発
歴史ファンら惜しむ声
文化財の指定なく 門や庭園 往時の雰囲気
現在は、不動産開発・販売を手掛ける市内の会社が保有。
同社によると四月下旬から工事を始め当時の雰囲気が残る庭園や門を解体し、約10戸の一戸建て住宅を建設するという。
同社は「歴史的な土地との認識はある。地域の景観を壊さないように配慮したい」 
2012年5月15日 神戸新聞記事より 

「庭園や門をブルドーザーで解体して10戸の一戸建て住宅を建設する」ことのどこか地域の景観を破壊しない配慮なのでしょうか?
数年前まではそれはそれは美しい庭園が中に広がっていたようです。

私有地につき、立ち入りをお断りいたします。
万一、勝手に入られ、事故等が生じましても一切責任は負えません。
また、器物破損等が生じた場合、修復費用等を請求いたします 家主

こんな張り紙がしてありました。
5月13日勝海舟寓居跡解体現場


5月14日



家の解体が進んでいます。
5月16日



5月14日の写真と比較してみるとほぼ家の原型をとどめていません。

5月17日


5月18日

解体されていく塀
5月22日 



こちらの家もとうとう完全に解体されてしまいました。

かつての面影を残すのは隣にたっているこの建物だけです。

5月24日
ですが、この建物も解体の対称となっているようです。





上の写真とこの5月22日の写真と比較してみると瓦礫もずいぶん撤去されています。

5月27日
いよいよこちらの建物の解体が始まりました。


こちらの建物は完全に解体されてしまいました。

そして右側の塀の解体も本格的に始まります。

ブロガーのしがーさんがやっておられる ぶらり散歩道 というブログの中の「勝海舟寓居跡」という記事の中で2005年のこの場所の写真が載っていたのでしがーさんのご好意で承諾をいただきこちらで紹介させていただきます。
それがこの下の二枚の写真です。

しがーさん、写真掲載許可をいただきまして本当にありがとうございました。
そしてこれが2012年5月27日に私が撮影した同じ場所です。

ほんの数年前までは手入れされた美しい日本庭園でしたが、今ではその面影はどこにも残っていません。

5月31日
この建物と美しい塀が完全に解体され、完全に中が丸見えの状態になっていました。

この角にあの趣のある建物が経っていたのですが、もはやかつての面影はほとんど残っていません。


瓦礫もすっかり片づけられていました。

6月6日
今にも勝海舟や坂本龍馬の声が聞こえてきそうです。
この門をくぐり、日本の未来や海軍について二人は議論を交わしたこともあったでしょう。

しかし、今やその門も住宅開発によって撤去されその面影は残っていません。



5月15日の神戸新聞の記事によれば、こちらを解体した不動産会社はこう話しています。
「歴史的な土地との認識はある。地域の景観を壊さないように配慮したい」」
これが地域の景観を壊さないように配慮した状態なのでしょうか・・・・残念です。

ここには勝海舟寓居跡だけでなく元暦元年の平家供養塔の参拝門もあるようです。
「清水観音堂(室町時代~昭和(三年)があった当時の参拝門です。江戸時代後期のもので神戸市内でも貴重な現存物です。」とこちらの立て看板にありますが・・・。



こちらも解体されてしまいました。
工事が始まる前の写真も撮っていたと思うのですが、まさかこんなことになるとは思わなかったので安易に消してしまったのか見つかりません。  【2012/6/12】見つかりましたので画像差し替えました。
幕末から残る貴重な史跡がまた一つ消えました。

父母の大病に回復の望なしとは 知りながらも、実際の臨終に至るまで医薬の手当を怠らざるが如し
かつて福沢諭吉は痩せ我慢の説の中でこう言って無血開城をした勝海舟を批判しました。
私は痩せ我慢の説を読んだことはありませんし痩せ我慢の説に同意したことはありません。
しかし、この現場に行ったとき私の心の中にはこの言葉が込み上げました。
父母の大病に回復の望みなし、これと同じく私にはこの工事の解体を止めることはできません。
けれど医薬の手当を怠らざるが如し、これと同じように私はこの場所の最期を看取りたいです。
そしてかつて全国からこの地に来てくださった方々に「こんな風に住宅地になっていきました」ときちんと説明できるよう写真に残したいと思います。
住宅地になったあとに知らずに来た方はびっくりすると思いますから。

初めてこの場所を見つけたのが今年の二月か三月のことだったと思います。
氷川清話、海舟座談を読んで勝海舟が大好きになりました。
なので氷川清話の中に出てくる生島四郎太夫のことはもちろん知っていましたし、
そこに勝先生が住んでいたことも知っていました。
でも、まさかそこがまだ残っているとは思っていませんでした。
あれから150年近くの間には阪神大水害、神戸大空襲、そして阪神大震災と数多くの災害を乗り越えて現存しているなど思ってもいなかったからです。
実際、勝海舟が寓居していたそのものは阪神大水害のときに流されてしまったそうです。
今回、解体されてしまったのは幕末のころから残っていた母屋と門だと思われます。
残っているわけがないと思っていたので、その門が現存しなおかつそれが近所にあるとわかったときの物凄く嬉しかったです。
しかし、探しても探してもなかなか見つかりませんでした。
みんながブログに載せていたあの立て看板が撤去されていたからです。
今思えば、それが予兆だったんでしょう。
ようやくブログなどの情報から位置を特定することが出来たときはいつまでもあの門の前にいたいと思いました。
特に夕暮れ時のあの門の前など魔法がかかったかのようにそこには幕末の空気が漂っていました。
とても素敵な場所でした。
私は「貴重な史跡なのだから残っていて当たり前」だと思っていたのでしょう。
いけば必ずそこにあって、勝先生が門から「ニヤリ」と笑って出てきそうなそんな不思議な場所はあって当然だったのです。
けれど、しばらく行っていなかったある日、ふと訪れてみるとそこにはショベルカーで破壊されているあの場所がありました。
びっくりして思わず放心状態になりました。
そこで私は初めて「あって当たり前ではない」のだと痛感しました。
150年近く残っていたとしても、ある日突然解体されてしまうのです。
そしてこれは誰にも止められない歴史の流れなのでしょう。
神戸で生まれ育った父親がよく話しているのですが、現在観光の目玉となっている異人館も移情閣も50年ほど前までは廃墟だったそうです。
それを観光資源として活用したために現在まで残っているのでしょう。
観光資源として活用されなかった史跡は解体されていく運命なのかもしれません。

幕末ファンにとって大きな神戸観光の目玉が歴史の流れに埋もれてしまいました。
勝海舟がいた、坂本龍馬がいた、あの幕末の空気とともに。

最後に、神戸市へメールでこの件に対して問い合わせていたのですが返事をいただけたので一部をここで紹介させていただきます。

「生島四郎別邸(勝海舟寓居跡)」についてですが、当時この付近は広く生島四郎が所有しておりどの場所に勝海舟の寓居があったか特定できません。本市では、いわゆる伝承地については、文化財として取り扱っておりませんので、現地は雰囲気の良いところですが、所有者の意向に対し、文化財として制限をかける根拠がありません。」

というご回答でした。
神戸市さんお忙しい中、ご回答いただきありがとうございました。

「この場所に対して出来ることはやりたい」という思いで解体工事の経過を撮ったり行政へメールしたりしてきましたが解体されてしまった今、「私に出来ることはやりきったかな」というのが正直な気持ちです。
私に二億円くらいあれば、なんとかなったのかもしれませんがやっぱり残しておきたいならそれだけのお金が必要なんでしょう。 ・・・もっとかな・・・
とはいえ、勝海舟や坂本龍馬ファンにとっての聖地であることは間違いないのですが後世の勝海舟、坂本龍馬ファンに対して私が出来たことはこれが限界です。
勝先生に対しては「思い出の場所を守れなくてごめんなさい」・・・・とは思いますが、正直あの勝海舟ならこれに対して一体なんて言うだろうか。

「あんなもん残しておいても金はかかるし、観光資源ったってあんな住宅地、誰も来やしないヨ。後生大事に残さずとっとと有効活用しちまうのが一番良いのサ」

2012年6月12日火曜日

粋な下駄

阪急西宮に群言堂というお店があります。
毎年、このお店には一週間だけ下駄の職人さんが来て手作り下駄を販売してくれるとのことでさっそく行ってきました。(今年は六月六日~十二日)
好きな台と鼻緒を選んで自分だけの下駄が仕上がるのです。
このイベントを教えてくれた友達と一緒にこちらのお店へ行って鼻緒と台を選びます。
・・・・が、種類が豊富で選べない!
贅沢な悩みです。
最初は渋いテイストで考えていたのですが、友達と職人さんに上手く軌道修正してもらい(笑)
粋で素敵な下駄に仕上がりました。
可愛いと粋のバランスが上手く取れた下駄になったと思います。
ずいぶんと悩んだので友達と職人さんには迷惑をかけましたが(笑)自分の納得のいく素晴らしい下駄が買えて満足しております。
下駄の底がカーブしており、自然と踵から着地して爪先で蹴り上げる動作をすることが出来、とても歩きやすく健康的です。
買ってすぐにこの下駄に履き替えたんですが、最初は少し鼻緒がきつかったもののすぐに馴染んで気持ち良いくらいでした。
この日はその下駄で一万歩以上歩きましたが、痛くて歩けないということはなくむしろ軽やかに歩けました。
時折鳴る粋な下駄の音がまた歩いていてとても楽しい気分になります。



宮部木履工房さん 粋で素敵な下駄ありがとうございました。